2005/09/16

テランガの国のバス

前回バスは危険だからタクシーに乗る、と書いたのですが、何事も経験と思いバスを使ってみることにしました。なにせ安いんです。家から5kmくらいあるオフィスまでタクシーだと800フランのところを、バスだと100フラン。僅か20円です。安っ!!しかも街中では結構な数が走っていて、大抵5分も待てば乗ることができます。

バスはカラフルな塗装がなされたワゴン車で、乗り降りは後方のドアから。このドアは走行中も開けっ放しで危険なようですが、この方が乗降がスムースだし、風の通りもよい。システムとして成立しているから良いのでしょう。乗降口にいる車掌がゴンゴンッ!って車体を叩くのを合図にバスは出発します。

狭い車内に座席が取り付けられていて、乗客は混雑時で約20人弱。立つスペースもあるのですが、客は全員着席しなければならない、というルールが徹底されています。恐らく立っていると事故が多かったのではないでしょうか。とにかく狭い座席に多くの人が座るのですが、日本の満員電車のように押し合い、圧し合いといった感じとは程遠く、みんなが自主的に詰めて詰めて他の人が座れるようにしています。詰めた結果15cmくらいのスペースしか無くて、「え、それは無理じゃない?!」っと思っても意外と座れてしまうから不思議です。

スリが多い等の話から、カオスなイメージを抱いていたのですが大間違いでした。みんながルールに従って、整然と動いています。しかもみんな親切。家からオフィスに行くのに途中でバスを乗り換えるにあたって、どこで降りたらいいのか最初は分からなかったけれど、同じ方面へ向かう人が一緒に降りて連れて行ってくれました。みんながシステムをよく知らない外国人の僕に親切に教えてくれます。日本みたいに整理された路線図は無いけれど、あまり必要ないんですね。人に聞けばわかりますから。

テランガとは現地のウォロフ語で「温かいもてなし」の意。未だ苦労することは多いですが、テランガの国セネガルをちょっとだけ好きになり始めました。

追記:これを書いた直後に乗ったバスがガス欠でエンコしました(笑)が、運賃は返金され、すぐあとに来た後続のバスに乗り換え。中々、楽しいものです。
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